「あれ?エレベーター止まったな」A

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 19:37:13.01 ID:94X/lxM/P
男「あのさ…、今日ここで寝泊りすることになるかもしれない」

先ほどの会話から少し経った後、俺は彼女にそう言った。

エレベーターの修復に手間取っているのかもしれない。

幼女「…うん」

恐らく察しはついていたのだろう。

このまま救助が来ないのでは、今日はここで寝ることになるのだろうと。

幼女「でも、どうやって…?」

男「……」

汚れた床を指差すと、幼女は不満そうな顔色を浮かべた。

男「しょ、しょうがないだろ」

幼女「……」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 19:42:42.72 ID:94X/lxM/P
もう何ヶ月も清掃してないと思われるエレベーターの床。

幼女はそれを見つめたまま、何も言わなかった。

男「…ま、とりあえず俺は寝るぞ」

そう言って壁にもたれ掛かり、両手を組んで目を瞑った。

室内が薄暗いおかげもあり、睡魔に意識が浸食されていくのにそう時間はかからなかった。

しかし…。


幼女「……」

時折、横目でちらり――と見るたびに彼女はキョロキョロと辺りを見回し続けていた。

不潔感の漂う床の上で寝るのに、躊躇しているようだ。

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 19:47:58.19 ID:94X/lxM/P
(…しょうがない)

俺は上着を一枚脱ぐと、それを床に敷いてあげた。

男「ほら、ここに寝なよ」

たかが上着一枚だろうが、女児が布団代わりにするのに十分なスペースだった。

幼女「う、うん…」

そして、彼女はに靴を脱ぐと、丁寧に敷いた布団の横に置いた。

幼女「おじゃまします…」

そう言って俺の上着の上に尻を乗せ、小さい体を丸めた。

しばらくすると彼女の小さい寝息が聴こえてくる。


男「…おやすみ」

そうして、俺も眠りに就いた。

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 19:53:29.41 ID:94X/lxM/P
次の日、目を覚ますと薄暗い天井が視界に映った。

男「う…」

慣れない体勢で寝たせいか、首が痛む。

そして、体を起こすと――


幼女「ご、ごめんなさあい…」

彼女が手にしていたのは、俺が購入したお菓子の袋だった。

どうやら寝ている間に黙って食べたらしい。

男「いや、別にいいよ。食べてても」

そう言ってなんとなく辺りを見回した。

(まだ復旧してないのか…)


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 19:58:33.62 ID:94X/lxM/P
男「…ん?」

ふと、幼女の付近に何かが落ちているのに気付いた。

幼女「あ、これ…」

彼女が手にしたのは、漫画雑誌。

それを知ると、自分は頭を抱え込んだ。


俺がコンビニで購入したエロ漫画だった。

しかし、どうしてジャ○プの方にしなかったのか…。

男「…読んだのか」

幼女「う、うん…」

そう言って、彼女はこくり――と頷いた。
その表情は、いたって平穏で『内容はわからなかった』とでも言いたげな様子。

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:03:48.95 ID:94X/lxM/P
そのまま、何時間も経過した。

白熱球に照らされる二畳半の部屋。

その狭い中、復旧するのをただ待つようにように座り込んでいた。

しかしエレベーターの中は換気扇以外は密室状態。

外の様子もうかがえないため、朝なのか夜なのかすら分からない状態だった。


男「なあ、時計持ってないか?」

幼女「とけい?」

男「ああ」

彼女は腕時計も付けていないし、携帯も持っているようにも見えなかった。

かといって、自分も社会人ながら腕時計はつけていない。

むしろ、普段から持ち歩かないようにしていた。

理由は『時間に縛られている気がして、落ち着かない』なんて、下らないものだった。

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:11:30.07 ID:94X/lxM/P
(こんなことなら、素直に付けてりゃよかった…)

変な意地張らずに、と少し後悔。

男「ん?」

幼女「……」

彼女は、何やら落ち着かない様子だった。

頬を少し赤くさせ、ふとももをモジモジとさせている。


男「おい、気分でも悪いのか?」

幼女「……」

こんな狭い場所に長時間居続けたら、そりゃ気分が悪くなってもおかしくはない。

男「少し横になってたほうが…」

そういい掛けた直後、彼女は口を開いた。

幼女「……おしっこ」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:15:50.21 ID:94X/lxM/P
(……)

おしっこ。

恐らく、昨日から我慢していたのだろう。

すっかり忘れていた。

いや、あるいは心のどこかで恐れていたのかもしれない。


男「あ、あ、トイレ…トイレね」

幼女「……」

幼女は顔を赤くしたまま、落ち着かない様子でいた。

よく考えれば、自分にも尿意があることに今更気付いた。

さて、どうしたものか…。

俺は周りを見回すが、こればかりはどうしようもないんじゃないか…と考えていた。

しかし、そこである物が目に入った。

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:19:54.27 ID:94X/lxM/P
室内の奥にある小さな扉。

たとえば、マンションから救急車で病院へと運ばれるとして、エレベーターに入れた際に担架の幅が足りないことがある。
これは、その僅かなスペースを確保するために使われているものだった。

その扉をあけると、奥行き30センチ程のスペースが見えた。

そして、幼女にこの中で用を足すように言うと

幼女「……」

さすがに無理があるのか、みるみると顔色を羞恥に変えた。

男「いや…別に我慢してても良いが、そのうち病気になるぞ?」

幼女「う…」

そのまえに、漏らしてしまうんじゃないだろうか。そんな風に思えた。


そして、彼女はしばらく考えこんだ末――その中に入って扉を閉めた。

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:23:18.81 ID:94X/lxM/P
男「……」

水流が床をたたきつけるような、小さな音が室内に響き渡っていた。

そして扉から彼女の黄ばんだ液体がぽたぽたと垂れ、ほんの少し水溜りを作った。


音が止んでから少しすると、幼女が出てきた。

彼女が扉を閉める時、ほんの少し立ち上っている湯気のようなものがちらり、とみえた。

幼女「……」

恥ずかしそうに、こちらをじっと見つめる幼女。

男「あ、いや…お疲れさま」

なにがそうなのか自分でもよく分からないが、そんな言葉しか出てこなかった

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:30:09.65 ID:94X/lxM/P
(しかし、なぁ)

それよりも、自分の尿意をどうすればいいのか考えていた。


幼女「…?」

彼女が用を済ました扉の方を、ちらっ――と向く。

すると、彼女は体操座りをしたまま恥ずかしそうにうつむいた。

男「……」

さすがに…無理だよな。


そう思って俺はエレベーターの出口に近寄ると、力を込めて横に引いた。

すると、簡単に開くことができた。

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:32:21.52 ID:94X/lxM/P
男「ふぅ」

こういうのは、案外簡単に開くようにできている。

非常時に備えているのか、力を入れれば子供でも開くことができるのだ。


扉を少し開き、後ろを向く。

男「…えっと」

幼女「…っ?」

男「これから、ションベンするんだけど」

幼女「あっ…うん」


彼女は顔を手で隠すと、そのまま後ろを向いた。

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 21:14:39.31 ID:94X/lxM/P
用を足している途中、下界から強い風が吹き上げ、降下する自分の小便が波打っていた。
ほんの少し下を見下ろすと、真っ暗で何もみえなかった。

(……)

よく見ると、内部にあるコンクリートの壁には、掴れそうな鉄骨がいくつかあった。

…頑張れば、下の階までよじ下りる事ができるかもしれない。

そんなことを考えている内に、排尿を終えた。






静謐な空間の中で、ただ時間だけを過ごしていた。

むわむわとした暑さが立ち上っている。
いったいいつになったら助けがくるのだろうか…。

(もしかしたら、このまま二度と)

幼女「あ、あの…」

そんな恐ろしい事を考えていると、幼女が声を掛けてきた。

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 21:20:06.18 ID:94X/lxM/P
男「? どうした」

幼女「あの、その…」

今度は何だろう? と思いつつも彼女の声に耳を傾ける。

幼女「…落ちない?」

男「…ん?」

質問の意味が分からなかった。

落ちない――とはどういうことだろうか。


男「…ああ、このエレベーターか?」

幼女「う、うん…」

彼女は不安げな表情をしていた。

エレベーターが落ちないかどうか、心配らしい。

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/24(水) 21:25:44.89 ID:94X/lxM/P
男「大丈夫だよ、落ちても心配ない」

エレベーターの内部地下には、バネのような衝撃緩衝器があるはずだった。

もし落ちても、そのバネで衝突時のショックを和らげてくれるのだ。

それにブレーキの故障などでも、まず落ちる心配はない。

UCMPという保護装置のお陰でかごの状態を維持してくれているからだ。


幼女「ふぅーん…」

そのことを幼女に一通り説明するが、彼女はよく理解できていない様子だったが

安心ということだけは伝わったようだった。


幼女「なんでそんなに知ってるの?」

男「ああ、そうだな…」

「あれ?エレベーター止まったな」Bへ続く
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